防犯にかかる費用と万一のときのための生活費


シングル女性だからこそ必要とも言えるのが防犯のための費用だ。

女性の1人暮らしでは、空き巣などの犯罪が心配な人が多いだろう。

自治体によっては、自宅に防犯設備を備える費用を助成する制度がある。

例えば東京都港区は、空き巣の被害を未然防止するために玄関に補助錠を付けたりする費用を補助している。

防犯設備を付けたり交換したりする費用が5000円以上かかった場合に、かかった金額の半額を上限1万円まで補助する。

大きな金額ではないが、一部でも自治体が助成してくれればうれしい。

自分が住んでいる自治体にこうした制度がないか調べてみよう。

同区がまとめた防犯設備の費用によると、一般に玄関用の防犯性能が高い鍵は約1万5000円から、補助錠は約4000円から。

窓用の防犯ガラスは1枚約2万5000円からとなっている。

コストをかけてもいいという人は、ホームセキュリティーの導入も1つの手だ。

例えばセントラル警備保障の場合、1LDKのマンションに人の動きや窓の開閉を感知するセンサー2カ所や自動通報の機能を備えたシステムを設置すると、機器を買い取る場合で設置工事費と機器の代金が合計約15万円、サービス利用料が月額3300円かかる。

家計管理では、医療費など万一の費用として、一般に半年分の生活費を用意しておくといいと言われている。

だが「シングル女性の場合は多めに1年分の生活費があった方が安心」と助言するFPも多い。

稼ぎ手が自分1人で、もし働けなくなって収入が途絶えると補製してくれる人がいないためだ。

高齢になった親の介護や日常の防犯など、1人で対策を考えなくてはならないことも多い。

今、何が心配だと感じるか、心配事の対策のためにどれだけ有料サービスを利用するか、一度じっくり考えてみてはどうだろう。

自分の老後の医療費や介護費用は、万一の費用ではなく、老後の生活資金に含めて貯める方がいいだろう。

老後までにいくら貯めればいいの?不安に駆られるシングル女性


30歳までに1000万円貯める。

これが、宮崎県の会社員、河合理生さん(仮名、28)の目標だ。

現在の金融資産は総額約600万円。

8割以上は銀行預金だが、少し日本企業の株も買っている。

会社の財形貯蓄を利用した天引き貯金のほか、毎月、節約して余ったお金を貯蓄に回し、ボーナスもなるべく多く残して貯金。

「結婚するかもしれないけど、一生独身の可能性もある。老後、1人で困らないように暮らせるお金が欲しいですね」と言うが、「困らない額がいくらなのかは、よくわからない」。

河合さんはまだ20代。

なのにもう老後のお金を心配するとは、少し早すぎるようにも思える。

だが、日本経済新聞社がマクロミルの協力で実施したシングル女性調査では、20代でも過半数が「老後の生活で公的年金は頼りにならないと思う」と回答。

8割以上が「暮らしていくお金が足りるかどうか不安」と答え、この先の人生に不安を募らせている。

日本経済新聞社が読者(生活モニター)を対象に実施したアンケート調査でも、「なぜ貯蓄や資産運用をするか?」との質問で、最も多かった回答は「老後の生活費を貯める」。

実に7割の人が選択した。

ところが、河合さんのように実際にお金を一生懸命貯めている人となると、実はそれほど多くない。

40代以下のシングル女性で老後に向けた貯蓄や資産運用に取り組んでいる人は3割を切っているのだ。

20代が保有する預貯金や投資信託などの金融資産の平均は約95万円。

30代では約275万円、40代では約535万円と、年齢を重ねるとともに順調に増えるが、50代でも平均1000万円弱にとどまる

シングル女性が「これだけお金が貯まったら、安心して老後を過ごせる」と思える金額は、日本経済新聞社がマクロミルと協力したシングル女性調査では平均で約1億300万円。

実際の貯蓄額は決して「もう十分貯まったから貯蓄や資産運用をしなくていい」というレベルではない。

実際のところ、老後までにいくらくらい貯められるものなのか。

これを具体的に考えるには、まず、自分はいつまで働き続けるつもりなのかを見極める必要がある。

シングル女性調査で「いつまで働くつもりですか」とたずねると、シングル女性全体ではだいたい58歳まで働こうと考えているようだ。

20代のシングル女性は50歳になる前に仕事を辞めたいと思っているのに対し、40代と50代では63歳前後まで働きたいと考えている。

若いうちは「早めにリタイアしてゆっくり暮らしたい」と夢を持つが、人生経験を重ねるうちに「老後を1人で過ごすとなると、働ける間は働いてお金を貯めないと厳しい。早期リタイアは、夢のまた夢、かも…」と、考えが変わるようだ。

ぎりぎりまで働いてお金を貯めて、リタイア後は貯金を取り崩しつつ年金をもらって暮らすのが、まあ標準的な未来予想図だろう。