将来の家計収支をざつくりつかむ

では、例えば現在40歳の人が、60歳までに2900万円貯めようとするとどうなるか。

こうしたことを簡単にシミュレーションできるサービスがインターネット上にある。

例えば金融広報中央委員会のサイト「知るぼると」の「資金プランシミュレーション」というコーナーで、初年間で2900万円貯めるには、1カ月にいくら積み立てる必要があるか計算できる。

だいたいの目標額を割り出したところで、次に知りたくなるのは、この先の家計でどんなリスクが待ち構えているのか。

転職するかもしれないし、家を買ったり車を買ったりして貯金が一気に減るかもしれない。

もやもや考えても仕方がないので、これまた目に見える形でリスクをつかむには、将来の家計収支予測を一覧表にしてみることだ。

あくまでもざっくりつかむのがコツ。

必要なデータは、まず年間の収入、そして毎月の大まかな支出。

詳しくわからない人は、とりあえず給与振り込みと生活費の支払いに使っている預金口座の通帳を見てみよう。

エクセルが使える人はエクセルで、使えない人は大きな紙に、一覧表を作る。

一番上は西暦で、今年からスタートする。

次の行には自分の年齢を入れる。

その下には今の年収を入れる。

将来、昇給するかどうかわからないので、働き続ける限り今の年収と同じと想定することにして、全部同じ数字を入れる。

収入の下は支出内訳だ。

「世界遺産を毎年たずねるのが生きがい」「エステにはお金を惜しまない」など、自分にとって欠かせない重要な支出項目があれば、分けて書いておこう。

その下の欄は、収入から支出を引いた年間収支。

一番下の欄が今後の貯蓄残高の推移で、今年の貯蓄残高に来年の年間収支を足すと来年末の貯蓄残高になる。

これで、今の年収と暮らしぶりがこの先も淡々と続いた場合、将来の貯蓄残高が不足しないかどうかがわかる。

綿密なマネープランで人生を楽しく

予測表を作る作業をしているうちに、家計支出をもう少し正確に把握したくなった人もいるのではないだろうか。

そうしたら家計簿に挑戦してみよう。

ただし市販の家計簿は、食費の項目が細かすぎて衣料品や美容関連は欄が狭すぎるなど、シングル女性には使いにくいものも多い。

自由に項目を書き込める家計簿を探すかエクセルなどで簡単に計算表を作ったりして、細かすぎず書き込みやすい自分なりの支出項目を整理してみよう。

貯蓄は天引きで作る
次は、家計を「管理」する段階だ。

毎月、それぞれの項目の予算を決めて、その中でやりくりすることに挑戦しよう。

「入るを図って出るを制す」のが家計管理の基本。

収入の範囲で貯蓄をしながら生活することに慣れよう。

貯蓄のコツは「何と言っても天引き貯金」と八ツ井さん。

余ったお金を貯金するのではなく、収入が入ったらまず決めた金額を貯金する。

会社で財形貯蓄や社内預金といった制度がある人は、活用しよう。

ない人は、積立貯蓄や自動振り替え、投資信託などの積立購入といった手段もある。

こうして、天引き額はないものとして毎月の支出を組み立てる。

そうしないとなかなか貯まらないものだ。

天引き貯金で気がついたら貯まっている…というのが、やはり長続きする貯蓄スタイルだ。

家計管理の目的は、貯蓄を増やすことだ。

であれば支出の記録にキュウキュウとしなくてもいいかもしれない。

八ツ井さんは「支出の記録がどうしても苦手な人は、「貯蓄簿」をつけてみよう」と提案する。

毎月、あるいは3カ月に1回、半年や1年に一度でもいい。

すべての預金通帳や投信などの残高をチェックして、いくらあるかを計算する。

定期的に貯蓄額をチェックすると、どれくらいのベースでお金が貯まっているのかわかる。

ただし、貯まるペースが遅いなら、やはり支出を見直す必要があるということになるので、観念して支出を記録して問題を洗い出そう。

「いきなり支出を記録するのは面倒でも、少なくとも貯蓄簿をつけることで「自分のお金の使い方に問題があるのかないのか」は把握することができると八ツ井さんは話している。